第166回定例活動報告
「東の森 (10月19日第3日曜日)」

全体報告<大日向>

DSC_6340.JPGNGO職員として海外勤務中である当会のマドンナが一時帰国して活動に参加するという連絡で24名が集まった。

今日の活動は全く新しい場所での作業である。
会を応援してくれているT元自治会長は自宅のリフォームに合わせて、アメリカ製の素敵な薪ストーブを設置してこの冬を快適に過ごしたそうです。しかし当然のことながら燃料とする薪が必要です。山には木がいっぱいあるが運び出す方便がない。いっぱいあるけど使えない…矛盾しています。特に当会が作業をしている雑山では楢の高木を伐採しており、一部をキノコのほだ木・炭焼材として活用したものの薪として最高の材がごろごろしている。自治会長も若い方であるがそれほど若くはない。そこで会長宅の裏山に電動運搬車で運びだす薪道を作る事になった。

裏山はそれなりの斜面で樫、楢、樅等の高木が茂り(架かり木となった高木も多数)その下を常緑樹中心の低灌木が生い茂り、人手が入った形跡も無くあるのはけもの道だけ。T会長がロープで道筋を決めその後ろを蟻のように連なって上下・左右の樹木を伐採して進む、更にその後方を道路づくり班が作業をする。かなりの距離の斜面を昔小学校に通っていたとされる旧道まで広げた。刈りはらわれた林間は明るく、所々秋の陽だまりが出来てゆったりと瞑想にふけりたい空間が出現した。

雑山では体力のあるベテラン勢と助手が伐採木の丸太切りをして、斜面をははそ道まで下ろした。太くて重量もあるため結構きつい、汗をかきながらチームワーク良く作業をした。

昼食は会長宅の前庭をテラスとして利用する。いつも見慣れているテラスとは趣も違い新鮮な気持ちにもなる。

K宗匠による茶の席、会長夫人手作りの総菜、海外土産の菓子、そしていつものみそ汁(これはひねるとポオーのガス台で)と大福、秋の食卓は豊穣です。

海外から一時帰国のマドンナとU氏とはまた一年間会えない事になっている。お互いの健康、再会を願って終わりの会とした。次回もこの延長が続く。
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活動報告<毛部川>

やっと参加出来た待望秋晴れのぼんぼり山!
日差しのあるところは暑いくらい。心も軽やかにいそいそと準備をする。
Tさんの愛犬が、賑やかなのがうれしいのか大歓迎してくれる。
もう香取線香はいらないかなぁ?二回お休みするとすっかり山の様子も変わってしまう。山の香りも違う。だからまた気分もあがる。

いつもと違う拠点地から出発すると、え?ここ小屋の階段でしょ?でも皆んなのぼっていってるなぁ、とりあえず着いて行こう・・・すると階段の踊り場から山の斜面に渡し板が出現!!おっかなびっくり渡り終えるとその先には道なき山。
ここに道を作るのか??

今まで何年もかけて山に手を入れて来たメンバーには見慣れた光景でも、お初の私にはどうやるのかすら分からないが、皆さん手慣れた感じで行く手を阻む草を刈り進みどんどん奥へと入って行く。大ざっぱに刈った後を整備するくらいの気持ちで申し訳程度に草を刈り進んで行く。
もう、何でも見よう見まねの世界だ。
ちょっと後ろを振り返ると、なんだか道が出来ている。嬉しい。

手ノコで少し太い木を切り倒す。
細くても杉や檜よりも背丈も短く切りやすい。なにしろ大物ではないからそこまで重心や枝掛かりの心配をしなくて良いので気楽に切ることが出来る。太めの木は道の土留め用に使う為道沿いに並べる。他の草や木はなるべく土に帰りやすいように始末する。
調子づいて作業を続け一休みする段で、思いのほか足が疲れているのに気付く。
場所によっては傾斜がひどく急できつく、足を無意識に踏ん張っていた為だ。
長丁場の作業を見越して、自分の体力に見合ったペース配分は大事!と思った。
でもやっぱり山の中で汗をかきかき体を動かすのは本当に楽しい。

とにかく先人たちの作業を見て何でも参考にする。
チェンソーで切り倒した木を始末していく。ノコが食い込まないように重さの掛かり方を考えながら切っていくのだけれど、自分ではこれが正解だと思っても枝が他の木に引っかかっていると力の方向も変わってくるとか、まだまだ残念賞も多い。観察力と感覚だなぁとつくづく思う。
山の作業は、なんてことないようで色んな感覚が絡んでくるからなんだか頭も良くなれるような気がしているのは私だけかしら?

朴の木の断面はとっても美しかった。
夢中で進んでいくと山の上の青空がのぞいていた。
旧道に出ると道幅も広く安定していてほっとする。
この道はまだ川沿いに大きな道が無い時代、学校に通うのに使っていたのだとか。
雨の日雪の日、紅葉の季節、蝉の声の響く季節・・・ひたすら通い続ける昔の子どもの姿を思い浮かべる。しみじみとしてみる。

大した作業はしていないのに上からえらそうに眺めるとすっかり道が出来ていてえらく感動してしまう。一人ではとても出来ない作業だ。大勢のなせる業はすごい!!こんな私もちゃっかり達成感を味わってしまう。Sさんによると道作りははっきり成果が見えるからやっぱり気持ちいいのだという。

土木班の仕事も順調で、着々と道は整備されていた。
道作りに使う杭用の太い枝探し。なかなかちょうどいい太さや長さをクリア出来るものが見つけられない私。やっと手渡すと、Tさんが器用に鉈で鉛筆のように削って美しい杭に仕上げる。こうやって道具も全て山のものを使って作る事にまた感動する。
また次回の作業も楽しみだ。

お昼のみそ汁も、なぜ人が作ってくれるとこんなに美味しいの?いつもこの”同じ釜の汁”と勝手に命名しているお汁が本当に楽しみ!!
実は私がぼんぼりに行ってみようと決めたきっかけは、誰かがホームページで美味しかったと書いていたこの”汁”が大きな要因の一つなのだ〜。
Tさんの煮物も美味しかった。Fさんのお土産のトルコ菓子に異国を感じ、Kさんは抹茶をたてて高級ようかんと伴に皆に振る舞ってくれ・・・美味しいものもたくさんで楽しい大満足な活動となったのだった!!
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活動報告<藤川>

久しぶりにぼんぼり山を訪ずれて

秋晴れ、気温も暖かく気持ちのいい10月第3日曜日。1年2カ月ぶりにぼんぼり山へ来ました。活動時間は作業を遠慮し散歩して1年2カ月間の変化を観察しようと山へ入りました。

まず作業基地の変化に感銘。休憩中、皆が座っても痛くないお尻に優しい作りで敷板面積が広がっていました。流石、製作者のご配慮は素晴らしいですね。今後メンバー高齢化?!を考慮し基地周りに手すりスロープが設置されれば5年後も安心でしょうか。料理場は小物が置けそうな棚も取りつけられ以前より使いやすそうです。ははその道に新設された小さな物置はおしゃれなデザイン、センスの良さが見えました。

歩きながら7年前に始まった活動の様子と各場所での作業が思いだされました。ここはSさんとかかり木に苦戦し一緒にロープを引っ張った所、あそこではTさんにチェンソーの使い方を教えてもらったなあと。7年前、自分の背よりも大きな青木をたくさん倒し、やってもやっても終わらない間伐・除伐作業に私達の力で山が変化するのか不信でした。今、美しい緑の草がいたるところに生え、細々と立っていた木々が太く成長し、活動の継続が大きな力となっているのを感じます。

落ち着いた山の表情を見ながら当時一緒に作業をした過去のメンバーの顔触れも頭に浮かびました。一方、最近会員となった方々が頼もしく楽しそうに作業される様子を見て大変嬉しく思います。当会設立当時10年後の参加者年齢層を心配し、新たな参加募集のポスターを駅に張った事もありましたが、現在その必要はなさそうですね。

遠くから引き続きぼんぼり山での皆さんの活動を見ています。
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活動報告<草野>

雑木山薪製作(虫害防止対策)

前回の活動の山引き苗の採収の際、今年の春ごろ柞の森の若返りのため伐採したコナラにキクイムシらしいものが穿孔した跡がありました。その後、気になって文献などを調べてもよくわからないので、再度、食害状況を調べてみることにしました。いずれにしても、何らかの対策を取らなければならないので、薪ストーブの燃料として地元Tさん宅で使ってもらう、いわゆる焼却することで来春の成虫の発生を抑えることを提案していました。調査したところ穿孔した跡は小さく、恐れていたものとは違うようで幼虫も成虫も見つからず確信が持てません。やはり予定通り薪材に加工することになりました。

この日の全体の作業は、Tさん宅の薪材搬出のための作業道作りであり、これと連動して薪作りのための玉切りと柞の道端までの引き出しをYさん、Hさん、私のチェンソー組に久しぶりに参加した女傑Tさんで行いました。

コナラは、大きいものを伐採したので、切断面が大きく、硬い木で時間がかかり、燃料もすぐになくなり、ソーチェンもすぐに切れなくなります。給油のたびに刃を研ぐ必要があります。おまけに、1mぐらいに切っても重く、人力、トビ、ひもで柞の道まで引き出す作業は重労働で、今日は筋肉痛と腰に違和感があります。この日に処理できたのは、約半分、次回の活動日に続きをやることになります。たぶん全部を集めると相当な量になります。コナラですので火力も強く香りも良い最高の薪になるでしょう。

伐採が、樹液が動いている時期になってしまい少し遅かったようで、虫を引き寄せたようです。今後は伐採するにしても、2月頃までにして、必ず、薪として使うかキノコ原木として種駒を打って利用するようにした方がよいでしょう。

かつては、伐採は使うための伐採であり、虫が取りつくことも少なく、虫害などで枯れた木が出たら、待ち構えたようにすぐに薪や炭にしていました。森にはこのような虫がごく普通に棲息していて、自然界で人間生活とのかかわりを含めて絶妙にバランスがとれています。人と森とのかかわりが希薄になって、自然界のバランスが崩れて、松枯れやナラ枯れが大発生することになります。森に人が関わることの大切さを知らされた出来事でした。
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活動報告<清水>

里山再生へのアプローチ

ほぼ全員の会員が一つの作業に携わったのは珍しいことだ。山主さんが以前から希望していた家から柞の森までの薪を運ぶ道づくりだ。まず旧道までの直線距離約200m。かなりの急斜面のほぼ斜めにまっすぐの道だ。目的は薪を運ぶためで、それも電動一輪車を使う予定なので階段はいらない、というよりない方がいいという。それにしてもこんな急坂を電動とはいえ上がれるのかなと疑問を感じつつも作り始めた。

張られたビニールテープに沿って斜面の一方の土を削って踏み固めて道を伸ばしていく作業が続く。ただの坂道なら土を崩すだけでよいが、行く手には急に高い段差になったところも所々にあり、その段差を解消するためには、ただ斜面の土を横に落とせばよいだけでなく、前に落として傾斜を緩やかにしなければならない。階段を作らなくてもよいだけ楽な作業なのだが、全部坂道と言うのもそれはそれで手間を食う作業となった。その上、岩があったり木の根っこが生えていたりで結構難儀な作業となった。しかしかなりの段差もやや道を広く取ると傾斜が緩やかとなってくる。これならば電動一輪車ならば大丈夫かもしれない。薪を取りに行く場合は空身だから重くもない。むしろ、薪を積んで帰る下り坂の方が難儀かもしれない。そんなことを考えながら作業は進んだ。

大半の仲間はビニールテープに沿った周囲の樹木を伐採。倒した木を予定の道沿いに並べていくとともに殆ど手入れをしたことのない場所なので合わせて常緑樹を除伐。アラカシやシラカシの常緑樹で暗かった森も明るい森に急速に変貌していった。完全に道として出来上がったわけではないが、土を削って均して仕上げればよいだけで、あらかた道らしきものはこの日の作業で旧道までは達してしまった。今回と同じくらいの人数が入れば余裕を持って旧道まで道の仕上げができそうな感じがする。薪の採取地となる柞の森からは以前より旧道上まで道が伸びているので全部開通はもうすぐだ。

ぼんぼり山の会を始めて7年半が経過した。高木の広葉落葉樹の多い一角の森を「柞の森」と名前を付け、里山再生を目指してきたがようやく今回の道づくりで本来の里山に近づきつつある実感がわいてきた。今回の道が柞の森まで開通すれば、コナラなどの落葉広葉樹の薪が大量に麓まで搬出でき、薪ストーブの燃料として日々利用されることになるし、炭を使っている人にとっても、道づくりの途中のコナラや樫類を使っての炭作りが地元の人に提供されて喜ばれたりしていることを考えると私たちの活動は着実に実を結んでいるように思われる。
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第165回定例活動報告
「東の森 (10月4日第1土曜日)」

全体報告<大日向>

暑くもなく、寒くもなく 適度な汗を流せる日でした。
柚子ジュースに魅せられた初参加者・海外から夏休みで帰国したUさん・土日が休めそうになったUSさん・手術から復帰のKさん等久しぶりの顔ぶれもあり19名が集まって賑やかでした。

作業は尾根筋での間伐、尾根に近いところでの作業道作り、チルホールを使っての間伐チームと3か所に分かれた。午後からは雑山からナラの幼樹70本ほどをテラスの新設の苗圃に移植、更にメンバー持参の茗荷の苗を茗荷畑へ追加して植える作業も加わりました。それぞれの畑には炭焼後の灰を沢山肥料として入れ込み、来年は茗荷の収穫倍増・5年後?植樹の苗木を確保した。

また地元の方から薪の追加リクエストがあり間伐材の有効活用ということで手の空いたメンバーが薪割りに精をだしてお届けした。
アフター5は10名がいつもの場所で、いつも通りのオダを揚げて終わりとなりました。DSC_6282.JPGDSC_6283.JPGDSC_6284.JPG



活動報告<豊田>

初参加の感想

瀬音の湯で買った「ゆずシロップ」がきっかけでぼんぼり山の会を知り、今回初めて参加させていただきました。

午前中は、ベテランの方が尾根の上まで山を案内してくださり、樹木の種類、山がかかえる問題、ぼんぼり山の会の今までの活動成果などのお話をうかがいながら、実際に細い木を一本切ってみました。切る前には細く見えた木が、のこぎりで切り倒してみるとなんと枝も多く、かなりの大きさで、日当たりが悪いところでも精一杯がんばって一所懸命に上に伸びてきたんだなあと、切り倒してしまったことがなんだか申し訳けないような気持ちになりました。

午後は、木を切るのではなく、一転して植える方のお手伝い。
コナラの林の下で、昨年のどんぐりから出た10センチほどの苗を選んで根っ子から堀り、別の苗床に植え替えです。地上では葉を2~3枚つけただけの小さな苗も、根っ子はまっすぐ下に10センチ以上もしっかり伸びており、自然の中で生き延びるための根っ子のたくましさに驚きました。

山登りに出かけると原生林の中を歩くことがあり、そこでは手つかずの自然をできるだけそのまま残すのが良いと言われます。自然保護です。しかし、奥多摩のような人工林では、自然のままに放っておいたのでは山の健康状態が悪化してしまうので人間が適切に手入れをしなければならない、という自然に対するまったく別の接し方を学んだ貴重な一日でした。

最後に、10時のコーヒータイムや、お昼の具だくさんの味噌汁がとても美味しく、ホッとするひとときでした。ごちそうさまでした!
また都合がつくときにはぜひ参加させていただきたいと思います。



活動報告<八重樫>

テラス上部のスギ・ヒノキ林の作業報告

本日の作業は、テラス上部西側のスギ・ヒノキ林の間伐・除伐・下刈ということで、午前中は会長、Yさん等と6人で現場に向かう。現場への作業道は、Sさん指揮する土木班が整備作業を進めていて歩き易くなっている。土木班の皆様ご苦労様!!

DSC_6325.JPG作業道から離れハイキングコースとなっている稜線に出る。そこに日照不足のため成長が止まり弱っているヒノキが5~6本あり、そのうち1本は完全に枯死していたので除伐した。残りは今後成長する可能性は少ないが、稜線は境界線なので近くの樹木は伐らないようにとの会長指示があったので残した。稜線から少し下がった所で、テープが巻かれたスギ・ヒノキの間伐に取りかかった。直径20cm位のヒノキを間伐する。根本周辺の下草を刈り取り足場を確保して倒す方向を選び、いつもより受け口を大きくして大鋸を奮って一気に切り倒す。ところがヒノキは少し傾いただけで倒れない。樹冠部で日光を求めて木々がせめぎあいをしている。特にヒノキは枝が横に張るのでかかり木になってしまう。Yさんとロープで引っ張るが倒れない。ロープで支えながらチェンソーで2回、3回と元伐りをしてやっと倒すことが出来た。こんな作業の繰り返しで、午前中はYさんが3本、私が2本のスギ・ヒノキの間伐で終了した。

昼休みのテラスは夏の間賑やかだった蝉の合唱はなかったが草笛が流れてきた。「エーデルワイス」だ。ナチスの戦争協力要請を断固拒絶して、家族と共に平和を求めて国境を越えてスイスに向かうという、オーストリアの海軍軍人の物語をミュージカル化した中で使われている印象的な曲だ。私も強く日本の平和を願っている。この曲に愛着を感じる。

午後はYさんと二人で現場に向かう。午前中の作業でヒヤリハットがあったので、会から支給されたSさん作成の「安全読本」を再読して今後の作業に臨もう。午後の作業も午前中と同様、かかり木との格闘となった。Yさんが3本、私も3本のスギ・ヒノキの間伐をして作業は終了した。少しは樹冠部に空間が出来て、林床も明るくなるだろう。ここから西側の境界までは100m位あり、まだ保全作業を進める必要があります。

我が友Kの前回(9月21日)の作業報告の「秋の空は?」について…
色々あってだんだん熱くなるのが「春の空」、色々あってだんだん冷えてくるのが「秋の空」。このことから「女心と春の空」「男心と秋の空」というのが定説になっていますが、諸兄よ!いつも胸に熱い情熱を秘めて生きていきましょう。



活動報告<草野>

今回の活動では2つのことをしようと参加しました。
その1つは、SさんとともにベテランTさんにチルホールの利用方法を教えていただくことです。伐採をしているとどうしても「架かり木」になります。その際、威力を発揮するのがチルホールなのですが、設置が少々めんどうくさいのでなかなか使いたがりません。でも、極端に重心が変心していて重心方向にどうしても倒せない林縁木などの伐採や架かり木はずしの安全な作業には欠かせない優れモノです。
この日はTさんのご指導で午前中2本のひねくれ木の伐採を見事に思い通りの方向に伐採できました。その使い方はSさんの報告にまかせます。

もう一つの作業は、「山引き苗」の採取と移植です。
前回の山巡視の時、コナラの種子が凶作であることが分かりました。昨年は大豊作で高木伐採をした「柞の森」におびただしい種子が落下・発芽して、窪地にたくさんのコナラ稚樹が発生しています。これら稚樹達はこれから光を奪い合う熾烈な生存競争が待っていて、最終的に残るのは1%ぐらいです。消えていく運命にある天然生稚樹の一部を、苗畑に移植してやれば苗木を作ることができます。このようにして作る苗木を「山引き苗」といいます。
ちなみに、人為的に種子を採取して苗畑に蒔いて苗木を作るのは「実生苗」、枝などから挿木で養成するのは「挿木苗」といいます。

午後からの採取には4名の方にお手伝いいただきました。
苗は種から根を伸ばし水分を求めて曲がりながら、地面に根を伸ばしています。地上部の1.5倍ぐらいの根の長さの直根(主根)が伸びて細根も出ています。窪地のガレ場ですので出来る限り根を手でたどりながら引くと割と簡単に抜けます。移植ごてや木切れで10cmほどの稚樹を根ごと丁寧に掘り取ります。堀り取った苗は、乾燥しないように濡れた新聞紙で包みます。

現地小規模苗畑は、ゆずの木の下でも比較的光が当たるところを選び、路地植えで40本ほど、ビニールポットに30本ほで移植しました。このうち、60%ぐらいが苗木になってくれれば早ければ2年後には、山に植えることが出来るでしょう。
最後の写真は下痢止めに効くゲンノショウコ(イシャイラズ)です。
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活動報告<佐伯>

先月からT師匠に手ほどきの予約をとって、佐伯の森でのチルホール伐倒を行った。午前はKおじさん、午後はT君と3人で協力しながら進めることとなった。チルホールでの伐倒は今回で3回目、いい加減覚えないといけない。とりあえず”フリーにする”というレバーを強く押して弁にひっかける、というのはコツがつかめたかな、と思う。失敗すると何度も手のひらで押すので結構手が痛くなってしまって、そこでもうチルホール辞めたくなる!

まずはワイヤーかけ。そもそもチルホールを使うということは、伐倒方向が重心に逆らった向きだったり、強力に何かに引っかかる予想がついている木を倒すことであるので、より確実性を高くするためにもワイヤーもより高い位置で設置しないといけない。今回は2連ハシゴを使用した。ここで思った。私の腕力ではハシゴが振られて固定できないどころか、そのまま倒れて他人に怪我をさせてしまうか、何か破損の可能性もあるなぁ…と。

さてワイヤーの後は、倒す方向の先にある木に滑車をつけ、ワイヤーを通したら90度以下にならないないよう「く」の字の方向にして、その先で本体をセットする。師匠の監督でせっせと動いたけど、ここまでで結構時間がとられる。だからチルホールって面倒くさいよね、重いし、ってなる。でやらなくなる、そして忘れるってなる。

でも今回は3回も近い日で教えてもらっていることもあってやっと体に入った気がする。とりあえず、一度セッティングしてしまえば後は倒す木につけるワイヤーだけ動かせばいい、という原理で作業を進めた。だが残念ながらあまりにも架かり木になる条件がそろい、都度滑車の位置を付け替えたりすることになる。だからチルホールって面倒くさいよね、重いし、時間かかるし…

しかし、チルホールが無ければ今回は絶対人間の力で引っ張っても到底敵わない相手ばかりだっただけに、それがレバーをエッチラオッチラ動かすだけで木がこちらに動いてくる様を見ていると、その偉大さが良くわかる。ムダな労力や、危険なガチンコ伐倒するくらいなら、やっぱり時間かけてもチルホールをするべきだな、としみじみ感じた。

今回は全て杉で、うち2本くらいは過去に何がどう起きたのか地面から1mくらいまでがまるでコブラの頭のようになっており、受け口追い口を入れるのが難しい木だったり、畑の際ということで陽があたっているわけだから、一方に枝が生えたいだけ生えて、伐倒後の枝の処理にも時間を要した。そんなこんなを繰り返しながら計5本やっつけた。やっつけた場所は空でなく眼下の景色がどーんと抜けて、集落が良く見えた。
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DSC_6307.JPGDSC_6313.JPGどーんと視界が抜けた!.jpg どーん!



活動報告<臼井>

かれこれ1年ぶりくらいの参加になりましたが、スリランカでの日頃の運動不足がたたり、車を停めてから歩いて基地にたどりつくだけで息があがっていました。とは言うものの、せっかくの活動ですから、怪我をしないように気をつけながら作業道づくりに参加しました。

DSC_6318.JPG基地から尾根道まで上がっていく作業道ですが、このぼんぼりで森林作業を始めた当初は、とても基地から尾根を見渡せる状況ではなかったのですが、気がつけば森の整備作業が進んだことで、いつの間にか尾根道が見えるようになっていました。そして作業道も当初は尾根道までたどり着けるとは到底思えませんでしたが、継続は力なりということか、あと10段の階段を残すところまでたどり着きました。

DSC_6319.JPGこのぼんぼりの山の斜面は、上に上がれば上がるほど傾斜が厳しくなり、作業道も右に左につづら折れをしながら徐々に高度を稼いでいきます。場所によっては傾斜が厳しいために、株元に除伐材を渡して橋をつくって道を伸ばしていきました。

1日の作業が終わり、「今日はあまり距離は稼げなかったかな」、と思ったものでしたが、基地まで降りる際にこの作業道で降りてみると、やっぱり斜面を降りていくのとは歴然の差がありました。これまで森の上部の作業では上がっていくだけで一苦労でしたが、これからは随分と現場にたどり着くのは楽になるのではないでしょうか。

久しぶりの作業(私は運動不足のためあまり役に立ちませんでしたが)でしたが、とても達成感のある1日となりました。

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